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1966年型 タイプ1コンバーチブルがある父子の夢をのせてドイツに帰る No.1

2021/01/07

トピックス

ドイツの本社ミュージアムに贈られた
1966年型 タイプ1コンバーチブル

いま、一台の1966年型のフォルクスワーゲン・タイプ1コンバーチブルが日本から船でドイツに向かっている。54年ぶりの里帰りになる。
54年前の大阪で新車で購入し、2010年に亡くなられたオーナーの遺志にもとづき、息子さんが奔走した結果、フォルクスワーゲン本社のミュージアムに寄贈されることになった。
日本国内のクラシックカーのオーナーが国内のミュージアムなどにクルマを寄贈する話は良く聞くし、実際、そうしたクルマが展示されることも珍しくない。だが、海外、それもドイツの本社ミュージアムにまで寄贈するなどという壮大な目論見は聞いたことがない。
息子さんに、さっそく電話を掛けた。短い通話だったが、そのタイプ1コンバーチブルのコンディションの良さが想像できて、オーナーだった父親の想いの深さ、時代背景などがとても良くわかった。
現在のオーナーである廣野幸誠さんは、大阪で株式会社廣野鐵鋼所を経営している。祖父が父の元吉さんとともに、1945年つまり終戦の年に創業した。
35歳だった元吉さんが1966年に(株)梁瀬(現・ヤナセ)大阪歌島店に展示されていたタイプ1コンバーチブルを購入した。

 54年間で一度も雨天で走らせたことがなく、休みの日になると元吉さん自らが手入れを欠かさなかったというだけあって、新車のようにきれいでオリジナル状態を保っている。廣野さんのガレージの前に置かれた姿にしばし見惚れてしまった。
「父は、設計者や造った人たちの意思を尊重して、オリジナルの状態を保って乗り続けることをずっと心掛けていました」
さらに驚かされたのは、元吉さんの言葉を裏付けるような保存状態だ。後席のフロアマットが割れていた。
「それは新車からのもので、途中で経年劣化で割れてしまったのですが、父は新品を買い足しながらも“それは、そのまま使う”と置いてあるのです」

NO.2へ続く